『御嶽かるた』を考えて作るのは、とても楽しい作業でした。一方で、苦労したこともたくさんあります。そんな制作の過程を、記録として残していきたいと思います。
まず今回は、①45枚の「読み札」の作り方 です。
読み札とはなんぞや?
かるた遊びは誰でもやったことがあると思います。
「読み札」とは、「読み手」が「読む」ための札のこと。
「読み札」の内容を聞いて、「取り手」が該当する「取り札」を取るというルールですよね。

つまり「読み札」は、特定のキーワードについて、端的にそれを表現する内容でなければいけません。
文字数は、当初からなんとなく「5・7・5」でした。多少の字足らずや字余りはできましたが、なるべく「5・7・5」のリズムで読めるよう、自分の想いを込めて言葉を選んでいきました。
短い文字数で、いかに端的に、そして分かりやすく情報を入れるか?そこが、腕の見せ所と思って頑張りました。言い回しは少し古風な感じで意識したと思います。
キーワードを当てはめよ!
最初は単純で、「あ」から「わ」までの45文字に、入れたいキーワードをはめていきました。もちろん「お」は御嶽山だったり、「か」は覚明さん、「ら」はライチョウ、、のように進んでいくわけです。
| あ | 阿古多丸 |
| い | ? |
| う | ? |
| え | 江戸時代 |
| お | 御嶽山 |
| か | 覚明さん |
| き | 木曽 |
| く | 黒沢口 |
| け | 剣ヶ峰 |
| こ | 強力、他 |
| さ | 賽の河原、他 |
| し | ? |
| す | ? |
| せ | 背負い板 |
| そ | 空 |
| た | 田の原 |
| ち | ちからもち |
| つ | ? |
| て | ? |
| と | 登山道 |
| な | ナナカマド |
| に | ニノ池、他 |
| ぬ | ? |
| ね | ? |
| の | ? |
| は | 八丁ダルミ、他 |
| ひ | 百草丸 |
| ふ | 普寛さん |
| へ | ヘルメット |
| ほ | ホシガラス |
| ま | 継子岳、他 |
| み | 三笠山 |
| む | ? |
| め | ? |
| も | ? |
| や | 山 |
| ゆ | 湯 |
| よ | 四ノ池 |
| ら | ライチョウ |
| り | 龍神 |
| る | ? |
| れ | 霊神碑 |
| ろ | ロープウェイ |
| わ | 忘れない |
| を | ? |
| ん | ? |
ここで最初の難関が、「頭文字の重複問題」と、そもそも「頭文字の言葉がない問題」でした。
「頭文字の重複問題」を解決すべし!
絶対に入れたいキーワードなのに、頭文字が被っていて使えない!というものがいくつかありました。
代表的なのが、
「こ」・・・「コマクサ」「強力」
「さ」・・・「三ノ池」「賽の河原」
「に」・・・「ニノ池」「女人堂」
「は」・・・「八丁ダルミ」「八海山」
「ま」・・・「継子岳」「摩利支天」など
ここからは、空いてる頭文字とこれらの重複キーワードを組み合わせていきました。
例えば、
「す」→「澄んだ」→「澄んだ水・・・・、三ノ池!」
「む」→「向こう」「向かい」→「向かいには、摩利支天山!」
といった具合に進めていきました。
「頭文字の言葉がない問題」に挑め!
次に、頭文字の言葉が浮かばない問題です。
普段意識してませんでしたが、う段(うくすつぬ…..)の言葉は非常に少ないんですね。
「う」・・・上
「く」・・・黒沢口
「ふ」・・・普寛行者
「ゆ」・・・湯
などは表であげたようにキーワードが出てきました。
そして前述した「す」と「む」のように、すぐ浮かんだ言葉もありましたが、他、
「つ」「ぬ」「る」が特に苦労しました。
その他、「て」「ね」もかなり考えました。
たくさん悩んでなんとか、頭文字+キーワードを捻出できましたよ!
ジャンル分け、偏るべからず?!
札はこうやって、頭文字から作っていきましたが、同時にジャンル分けという作業もありました。当初から考えていたジャンルというのが、以下になります。
- 場所を紹介する札(御嶽山の山小屋や池など)
- 信仰・歴史を紹介する札(覚明さんや普寛さん)
- 木曽の文化を紹介する札
- 自然を紹介する札(ライチョウや植物)
- 火山・噴火・安全啓発に関係する札
このようなジャンルで分けたら、御嶽山をまんべんなく紹介できるかなと思いました。ところが、いざ思いのままに作っていったらめちゃくちゃ信仰ネタばかりになってしまったんです!
かるたを見せて相談した知人、友人からも
「ちょっと信仰寄りすぎない?笑」
「覚明さんの札、多すぎるよ笑」と、激しいツッコミが連発。。。

え〜そうかな?と言いつつ、友人たちからの意見も最もで、
「御嶽山を知らない人が読んでも伝わる内容」を改めて意識し、何度も修正を加えていきました。
改めて、
私は御嶽山の何を伝えたいのか、
私が本当に紹介したいことは何か、
この場所を知らない人に対して、まず伝えたいことは何か?
を問いかけるきっかけにもなりました。
このジャンル分けは、札がおおかた完成した後も、何度か入れ替えがありました。
結果、自分でも感動するくらい、きれいにジャンル分けをすることができました。
ジャンル分けについては、また今後の記事で詳しく書きたいと思います。
一番悩んだ札とは?!
一番悩んだ札があります。
それが、「に」の「ニノ池」です。ひとこと「ニノ池」といっても、




- 「覚明行者入定の地」
- 「日本最高所の池」
- 「火山灰で埋もれた池」
- 「噴火を語る遺構」
- 「ニノ池山荘」
- 「建国姫龍神」
・・・・・話すことが多すぎる(泣笑)
ニノ池だけで5つは札が作れるんちゃう?!泣
そして、すべてのジャンルを含んでない?!泣
改めてニノ池ってすごい!
こうした「頭文字×キーワード+ジャンル」という縛りの中で、何度も組み合わせを考えながら内容が変化した札がいくつかあります。つらかったのは「どのキーワードを削るか」という作業でした。しかし断念したキーワードは、のちに別の形で紹介できる手段を発見しました!これについても今後紹介していきます。
不動の札とは?!
反対に、制作当初から全くブレずに変わっていない札もたくさんあります。代表的なのが、
- 「い」
「いくつある?お山の目印 山丸三」 - 「お」
「おんたけさん 堂々たるや 王の御嶽」 - 「か」
「覚明さん 御嶽山を 開くなり」 - 「け」
「剣ヶ峰 三千六十七 メートル」 - 「わ」
「忘れない 噴火の記憶 語り継ぐ」
特にこれらの札は、頭に思い浮かんだ当初から全く変わっておらず、『御嶽かるた』の骨組み・基盤となりました。こうして45枚の札が徐々に出来上がってきました。
さて、「に」の札は、何が書いてあるんでしょうね?公開をお楽しみに!
つづく

