今回の主役は取り札です。45枚の取り札がどのようにできたのかをお話したいと思います。
取り札とはなんぞや?
取り札とは、
読み札の頭文字となるひらがな一文字が大きく書かれ、
読み札の内容を表すイラストなどが描かれた札です。

「読み札」の内容を聞いて、「取り手」が該当する「取り札」を取るのが、かるたの基本的なルールです。
つまり「取り札」は、「読み札」の内容を表す分かりやすい視覚的な表現が必要となります。
通常のかるたはイラストが多いですが、『御嶽かるた』では、実際に私が撮影した写真を使用することにしました。
記憶を辿って写真を選ぶべし?
もちろん読み札を作る段階から、使用する写真や実際の風景、構図をイメージしていました。見たことのないものを札にすることができないからです。
御嶽山に通うようになってまだ5年ほどですが、それでも御嶽山に関する写真はかなりの枚数になりました。
御嶽山へ何年の何月何日に登ったかは記録してあり、写真も分けてはいますが、キーワードごとにアルバムを作っていたわけではないので、この中から、該当する写真を探すのが、地味に大変でした。
たとえば「三ノ池」の場合、これまで撮影した三ノ池の写真の中からもっとも取り札に合うと思った写真を選ばなくてはなりませんでした。
逆に、
「あの場所の写真、絶対撮ってる!、、、がいつだっけ?!」とか、
「あの写真は、いつの7月だったっけ?何年前?!」ということが多々ありました。
それでも、まだ記憶を辿れるくらいのレベルだったおかげで、写真を見つけることができました。
友人を頼るべし!
読み札に合う写真は概ね用意できたわけですが、45枚すべてが私の撮影した写真ではありません。
どうしても自分では用意できないものや、「ぜひこの写真を使いたい」と思ったものについては、友人に写真を提供してもらいました。
取り札は、読み札の内容をイメージしてもらうためのものです。だからこそ、札によっては「この内容を表現するなら、こんな写真を使いたい」と思うものがありました。
そこで、御嶽山へ通う機会が多く、写真の技術にも長けた友人に、2年前の初期の段階から協力をお願いしました。
見せてもらった写真の中から私が選んだものや、私からイメージを伝えて送ってもらった写真など、7枚ほど取り札には使用しています。

写真を提供してくれた友人については別の機会に紹介したいと思いますが、このブログを読んでいる方なら想像つくかもしれませんね!
トリミング問題の「や札」を攻略せよ?
2年前のプロトタイプを制作した段階では、使用写真は1:1のスクエアにしていました。理由は、使用写真が縦長(3:4)と横長(16:9)などいろいろ混ざっており、トリミングの際に統一しやすかったからです。


しかし、取り札に選んだ写真の中に、どうしても縦長じゃないと収めきれないものがありました。
それが「や」の札に使用している「百間滝」の写真です。

この滝は、落差数十メートルの直瀑で、滝の全容と滝行の様子を全て収めたかったのですが、限られた場所からの撮影だったため、どうしても縦構図にする必要がありました。そのため、「や」の札のみ縦長の写真を使用していました。
しかし!写真提供者である友人から、
「だったらすべて縦長構図の写真を使用した方がよいのでは?」
「そもそもかるたの札が縦長であるから、札の形に合わせて大きく写真を載せるべきだよ!」という、もっともなアドバイスを受けました。
そこで改めて、すべての札を縦長の3:4にトリミングすることにしました。この作業で、いくつか写真の入れ替えもありました。


トリミング後↓


ある意味、1枚の札のために44枚の札を変更したということになりますね!笑
結果的に、全札を縦長に変更してよかったと思います!友人にも感謝です。
写真(取り札)がメインにあらず……。
もし写真そのものを主役にするのであれば、御嶽山に関わるさまざまな方から写真を提供いただく方法もあったかもしれません。
しかし、私が『御嶽かるた』で伝えたかったのは、あくまでも「読み札」と、その言葉が表す御嶽山のことでした。

「取り札」の写真は、その内容をイメージするためのものです。だからこそ、写真そのものの完成度よりも、読み札の内容を責任持って伝えることを優先して写真を選びました。
そして、『御嶽かるた』が作れたのは、御嶽山へ通うことで、その場で感じたことや、撮影してきた写真があったからこそだと思います。そんな自分が見てきた御嶽山への想いを、取り札にも込めました。
取り札を通して、私が見てきた御嶽山がさらに伝われば、とても嬉しく思います。
つづく
