御嶽山は令和8年4月10日に国定公園へ指定され、ここに「御嶽山国定公園」が誕生しました。
しかし、発表されたポスターに問題を感じました。
正直なところ「これはダメでしょ!」といった素材が使用されていましたので、これを機に三ノ池のお話をしたいと思います。
国定公園ポスターについて
まずは、問題提起したポスターをご覧ください。

三ノ池の写真にご注目です。
ポスターとしては、とてもいい仕上がりだと思いました。
誰もが三ノ池へ行きたくなるでしょう。
パッと目を引くブルー、そしてアンチドラゴンアイの私が見ても、ギリ「アイ(瞳)」に見えるという皮肉……..。
(詳しくは御嶽山の三ノ池はドラゴンアイではない?!(三ノ池≠ドラゴンアイ))
この時はまだ、
「このポスターで、またドラゴンアイに釣られた登山者が殺到するんだろうな」
「三ノ池に入る登山者が増えてしまうな」
「御嶽山の開山は夏だから、夏季の写真を使用してほしかったな」
ぐらいの印象でしたが、
問題がありました!!
それはいったい何か?!
写真の問題点とは
では問題提起の本題に入ります。
登山道の外!山域保護の理由から

ポスターの三ノ池の写真ですが、
よく見ると、池の水際まで下りている登山者や、雪のトレースを歩いている登山者が写り込んでいるように見えます。
トレースは踏まれて雪が溶けているため、土が剥き出しです。

登山者が写っている場所はいずれも本来の登山道ではありません。
つまり、登山道以外へ立ち入っている写真が使用されているんです。
積雪時は登山道が曖昧になることはよくありますが、三ノ池の融解現象(ドラゴンアイ)が見られる時期は雪が溶け始めています。雪が溶けているトレースを歩くと、結局のところ山を荒らすこととなります。国定公園化したのに本末転倒です。
登山道の外は、保護すべき植物の生息地となっているため、ルールに則り正しい登山をしていただきたいと思います。
三ノ池への侵入?!山岳信仰上の理由から
そして三ノ池の水際に登山者が立っているように見えますが、あそこは登山道ではありません。

「雪の上だからいいのでは?」
という意見もあるかもしれませんが、
山岳信仰の理由から、三ノ池へは入ってはいけませんし、水に直接触れることもいけないことになっています。
雪はいずれ溶けて三ノ池の一部になります。三ノ池の水際(雪の上)に立つことは、三ノ池に入っていて、なおかつ水に触れていることに値します。
池を穢していることに他ならず、つまりアウトです。
雪の上でない場合でも、登山道の外になるわけですからどちらにせよアウトです。
このお話は登山道以外への侵入(山域保護の理由)と、三ノ池への侵入(山岳信仰上の理由)という、二つの要素が含まれています。
三ノ池の下り方は?
三ノ池は正しいルートを歩けば池の畔まで下りることができます。

池の南側には鳥居や祠が建っており、柄杓を使って御神水を汲むことができます。

三ノ池は元は火口で、お鉢巡りのように外側を一周できる登山道もあります。

・三ノ池を近くで見たい方は南側へ登山道を通って下りる
・雪渓を通って下りてはいけない
・五の池からは近づかずに、上から見て楽しむ
三ノ池のマナーとは?管理者と心得
これまでも三ノ池の問題は取り上げてきましたが、ここでも少し触れておきます。
三ノ池の問題
近年三ノ池の融解現象(ドラゴンアイ)が有名になるにつれて、
登山道以外から三ノ池に下りたり、雪や氷の上で遊んだり、池の水を直接触ったり、物を洗ったりする登山者が非常に散見されるようになりました。

結果的に三ノ池を穢す行為となり、御嶽信仰の関係者方は頭を悩ませています。
御嶽信仰において三ノ池は重要な場所であり、非常にデリケートに扱う必要があります。

『山岳信仰』も国定公園化の評価のひとつに挙げられています。
三ノ池をドラゴンアイとしての観光地としてPRするよりも先に、三ノ池の由来や意味を伝えることを優先すべきかなと思います。
なぜ水に触れてはいけないのか?
これは法律や自治体が特に定めている内容ではありません。
どちらかと言うとマナーのお話です。

三ノ池は龍神が棲むと言われる神聖な池で、その水は御神水として今でも信者さんに大切に汲まれています。三ノ池のほとりには祠が建っていて、三ノ池を含むその周辺一帯は「三ノ池龍神社」の敷地内になります。

つまり、三ノ池は「神社」なんです!
三ノ池龍神社には管理者がおります。これまでも何度かご紹介している大鐘龍昇先達です。
大鐘先達は、林野庁から三ノ池龍神社の管理を委託されており、毎年納税もされています。

そんな大鐘先達を筆頭に建てられた三ノ池龍神社には、以下のことに気をつけてほしいと注意書きが書かれています。

・池の中に立ち入らないこと(冬も)
・池の水で直接手や顔を洗わないこと
・三ノ池周辺を不浄にしないこと
・水をくむ場合は柄杓を使うこと
三ノ池は御嶽山の中でも大変人気で、美しい火口湖です。
多くの方々に訪ねてもらいたいですが、マナーを守って楽しみましょう。
三ノ池は神社の敷地内という気持ちで訪ねましょう!
今後の対策は
以上の懸念事項を、長野県の環境部にメールし、個人的にご意見は申し上げました。
ポスターの制作元を確認し、写真の差し替えを願いたいところですが、おそらく自治体の予算で制作されたものであり、困難であると予想しています。
ここからはひとり言であり、理想論であり、今後の課題です。
以上のような項目を自治体へ申し出て、登山道整備対策やWeb対策をしていただければベストかと思いました。
あとは個人的に発信するしかないと思い、本ブログでも取り上げました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
御嶽山のルールで、最も複雑なのが三ノ池の問題と言えます。なかなか浸透させるのが難しい議題ですが、むしろ今回のポスターを逆手に取って広めていけたらと考えました。
最後になりますが、
今回の話の一部分でも賛同していただけたならありがたいです。
そして、一人でも多くのみなさまの、目や声に協力していただけると心強いです。
ありがとうございました。
国定公園に指定されたことで、管理者や予算の出所、指定区域に変更はありますが、
一般に御嶽山を訪れるにあたって、何かが特別変わるということはありません。
これまでこのブログでも取り上げてきた、御嶽山のルールは変わらないです。
今年も多くの方に御嶽山を知ってもらえますように。
