【不動明王】は【不動尊】や「お不動さん」など呼ばれています。いかつい顔で、少し怖いイメージですよね。
【不動明王】は御嶽山にたくさん祀られています。今回はこの【不動明王】について紹介したいと思います。
不動明王とは?
不動明王のランク
【不動明王】とは、仏さまのひとりですが、その仏さまは4つのランクで分けられています。
- 如来 例:阿弥陀如来、大日如来
- 菩薩 例:観音菩薩、地蔵菩薩
- 明王 例:不動明王
- 天部 例:弁財天、摩利支天
つまり【不動明王】は「明王」に分類されます。「明王」の代表が【不動明王】で、真言密教から生まれた存在です。明王には他にも孔雀明王や愛染明王などがいますが、【不動明王】が圧倒的に認知度が高くて人気です。
【不動明王】は【大日如来】の化身であると言われています。真言宗では【大日如来】を本尊とし、両脇に【不動明王】と弘法大師 空海の像が置かれるのが一般的です。御嶽山と真言密教との関係はこちらをどうぞ(山丸三と真言密教-山丸三③-)
不動明王の姿
【不動明王】は言うことを聞かない者や、煩悩に負けてしまいそうな者を、力強く救う仏さまです。
仏さまによくある慈悲や救済の表情というよりは、「諭す」「叱る」といった存在なので険しい表情をしているのです。現代で言う「叱咤激励」してくれる仏さまですね。

羂索という投げ縄と、三鈷剣という武具をもっているのが特徴的です。
羂索は、悪を縛り上げ、また人々を煩悩から救い出すための投げ縄、
三鈷剣は、人々の煩悩を断ち切り魔を祓うといった意味がこめられています。
また、炎を背にしている姿が多いです。


【不動明王】は坐像が多いですが、立像もあります。
写真左は、御嶽教大御神火祭場の御嶽不動尊像、
写真右は、かんまん滝行場入り口の不動明王像です。

場所についてはこちら御嶽大神(おおかみ)大解説②

場所についてはこちらお池と五行思想の関係を分析!
不動明王の脇侍
脇侍には、【不動明王】の眷属と言われている【八大童子】が描かれます。眷属は簡単にいえば子分のような存在と思ってください。

向かって左の【制吒迦童子】は金剛棒を持ち、強さを表す男性的な描かれ方です。
向かって右の【矜羯羅童子】は蓮を持ち、慈悲を表す女性的な描かれ方をしています。
この二人は【八大童子】の中で圧倒的人気であり、代表的な存在です。
こちらでも紹介しています。
八大童子紹介
【八大童子】を紹介しますが、意味合いについては割愛します。
- 慧光童子
- 慧喜童子
- 阿耨達童子
- 指徳童子
- 烏倶婆誐童子
- 清浄比丘童子
- 制吒迦童子
- 矜羯羅童子

制吒迦童子/不動明王/矜羯羅童子の並びは、一般的で人気ですので、見かけることが多いかもしれません。
御嶽山の不動明王
不動という言葉からは、動かない、揺るぎないという不屈の信念が感じられます。おそらくそのことから、【不動明王】は滝や洞窟で修行する行者たちにとっての信仰対象になったと考えられます。
御嶽山でも【不動明王】は多く見られ、これまでも【山丸三】や【神霊軸】などで何度も登場してきました。
山丸三の不動明王
御嶽山の至る所で使われている【山丸三】の紋様ですが、上一線が【不動明王】を表すと伝わっています。御嶽信仰で、【大日如来】【摩利支天】と並ぶ重要な存在と分かります。

詳しくはこちらをご覧ください。
神霊軸の不動明王
御嶽山の神仏を図像化した【神霊軸】にも、【不動明王】は描かれていました。


【大日大聖不動明王】とは【不動明王】の別名、もしくは正式名称かもしれません。ここでは同じ意味と捉えて紹介しています。
詳しくはこちら
現代の【神霊軸】一挙公開!
必須項目?御嶽山の神さまハイライト!
滝の不動明王
御嶽山を代表する滝にも【不動明王】の石碑や像が置かれています。
百間滝
いざ【百間滝】滝行へ随行!で紹介した【百間滝】の少し手前にお堂がありますが、そこにも【不動明王】が祀られています。

【覚明行者】が修行した場所でもあります。

清滝と新滝
清滝と新滝は王滝村にある代表的な滝です。この滝で、百日潔斎の修行は行われ、今でも水垢離や滝行をする信者はみられます。





先ほど紹介した、制吒迦童子/不動明王/矜羯羅童子の並びで彫られていますね。
御嶽山三十八史跡巡り王滝口「第六番 水行場清滝新滝」の場所でもあるので改めて紹介します。
松尾滝
御嶽山三十八史跡巡り黒沢口第8番の松尾滝は人工的に作られた滝ですが、ここにも【不動明王】像がありました。


おわりに
不動明王まとめ
- 【大日如来】の化身である
- 強い表情で剣と縄を持ち、煩悩を祓う仏さまである
- 不屈の存在として滝や洞窟に祀られて、修験者に崇められてきた
御嶽山で修行する者にとって、【不動明王】は重要な存在でした。そしてなんと言っても【大日如来】の化身ですから、特別感がすごいですね。社会で例えると、社長代理人や顧問弁護士みたいな特別職かもしれません。


田島 御嶽神社の不動明王像
お不動さんをさがせ!

「おや!こんなところにも!」
【不動明王】は特徴が分かると見つけやすいです。三ノ池から白竜避難小屋へ上がる登山道で見つけました。
御嶽山でもどこでも、滝や洞窟、修行場のような場所があったら【不動明王】を探してみてください。怖い顔でも、おそれずに!手を合わせて、煩悩に打ち勝つ手助けをしてもらいましょう!
ちなみに【不動明王】は、私の干支、酉年生まれの守り本尊でもあります。
ありがたやありがたや・・・・・!
「ノウマクサンマンダ バサラダン センダン マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」(【不動明王】の真言)
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