青く光るスコリアの正体は?!

地質屋見習いさん

【木曽の御嶽山】の登山道で発見した青く光って見える石についての投稿です。
この石は、【覚明行者】が開いた黒沢口登山道で発見しました。場所は【黒岩赤岩くろいわあかいわ】と言われる場所です。この場所は、御嶽山の噴火による火砕物が溜まっている場所です。森林限界を超え、植生が一気になくなり、火山を感じさせる私が好きな岩のゾーンです。

その名の通り、黒い岩や赤く変色した(ゴジラっぽい)岩がゴロゴロ見られる場所ですが、その中で青く光って見える石を発見しました。(ますますゴジラっぽいと思う)
大変美しく、青く虹色に光るこの石の正体は何なのでしょう?

「青といえば、銅かな?」
など、最初は何かの成分が変化して、このように発色しているのかと考えていました。

答えは、構造色こうぞうしょく】という色と光の現象なんだそうです!

石の成分は関係ありませんでした。【構造色こうぞうしょく】現象には、例えばクラゲやタマムシ、モルフォチョウやサバなどにも見られます。他にもシャボン玉や、レーザーディスク、貝殻も同じです。

確かに、光り具合の系統が同じですよね。物体そのものが持っている本来の色と、構造や形状、それに光が合わさって、このような美しい発色をもたらしているんです。私が好きな鉱物でラブラドライトという石があるのですが、これも【構造色こうぞうしょく】で青く見えるんだと分かりました。石自体は黒灰色なんですよね。光が入ると美しく輝きます。

この石を発見した日は、雨上がりで霧がかっていました。天気は晴れに向かい、ちょうど太陽の光が少しずつ戻ってきた頃でした。

たまたまその【構造色こうぞうしょく】が発生したタイミングだったんだろうと後々思います。
後日、同じ場所を通っても、同じような発色の石は発見できませんでした。

改めて訪れた際、根気よく観察してみると、わずかに青く見える石をいくつか発見しました。それが上記の写真です。当時の鮮やかな発色は見られませんが、この【構造色こうぞうしょく】をもつ石が【黒岩赤岩くろいわあかいわ】地帯に残存することは確認できました。

そして太陽光が当たると、発色が鮮やかになりました。やはり、光のタイミングや湿度、石の構造(割れ方?)が重要かもしれません。

【黒岩赤岩】の登山道はゴロゴロ歩きにくいですが、岩を見るのは楽しいです

最後に、【黒岩赤岩】の場所の紹介をします。

【黒岩赤岩】は、黒沢口から登り、女人堂8合目→金剛童子→長い階段状の一本道(大変きつい)→弘法大師の像→
を過ぎたあたりから現れる、岩がゴロゴロした地帯です。【黒岩赤岩】ゾーンを過ぎたらまもなく9合目の石室山荘へ着きます。

ここにある黒い岩は【スコリア】と言って、黒い火山礫かざんれきのことを表します。噴火によって出た噴出物を火砕物かさいぶつと言いますが、この火砕物が2mm〜64mmの大きさのものを火山礫かざんれきと言います。火砕物は空気を含み、発泡が良いためたくさんの小さなあなが空いています。その中でも特に黒いものを【スコリア】と呼びます。

【黒岩赤岩】を通る際にはぜひ、【構造色こうぞうしょく】をもつ青いスコリアを探してみてください。
そしてこの場所を、【青岩黒岩赤岩あおいわくろいわあかいわ】という名前に更新していきましょう笑!

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