摩利支天山の山頂は移動した?

御嶽山の紹介

御嶽山の山頂の一つ、【摩利支天山まりしてんやま】の場所はどこでしょう?そんなことは地図を見れば分かることですが、今回は写真多めで【摩利支天山まりしてんやま】の紹介をさせてください!

「どこが山頂ですか?」

小屋で働いていた時にちょいちょい質問されました。
「【摩利支天山まりしてんやま】の山頂ってどこですか?」
その質問は分からなくもないです。【摩利支天山まりしてんやま】自体は外輪山がいりんざんとしてわかりやすい形なんですが、山頂(一番高い場所)は見ただけではわかりづらいんです。これはきっと、昔の行者たちも同じように思っていたはずです!

正解は写真の一番左端の高い所が、【摩利支天山まりしてんやま】2959mの山頂にあたります。
でも何となく右端の方に目が向いてしまいませんか?
右端は、摩利支天山展望台という場所です。そしてそのすぐ右下が摩利支天まりしてん乗越のっこしであり、向こう側へ越えると五の池小屋へつながっています。

摩利支天山への行き方

以前摩利支天って何の神さま??で紹介したように、摩利支天まりしてん乗越のっこしという場所に摩利支天まりしてん像が建っています。まっすぐ進んで乗り越えると、五の池の方へ下りますが、【摩利支天山まりしてんやま】へは向かって右へ進みます。

写真のように展望台と【摩利支天山まりしてんやま】頂上へ分かれます。まずは【摩利支天山まりしてんやま】へ向かいます。ここから20分ほど、トラバース道を歩きます。展望台からは繋がってないので注意してください。

高度は変わりませんが、狭いので落石や踏み外し、離合に注意してください。

摩利支天山まりしてんやま】頂上へ到着です。良い眺めですが、山頂は大変狭く、あまり長居はできない場所です。ここから奥へは進めませんので注意してください。

では引き返して、おすすめの展望台へ行きましょう!

展望台がおすすめです!

先ほどの分岐まで戻ってきたら、折り返して展望台へ上がってください。

祠跡ほこらあとがあって、御神酒おみきが添えられていることもありました。

眺めもよく、割と広くて休憩できます。

ここで迎えた朝は最高でしたよ!

ここでホルンを演奏したこともありましたが、最高に気持ちよかったのを覚えています。

剣ヶ峰からニノ池、山小屋が見渡せて、眼下にはさい河原かわらが広がっています。奥には継母岳ままははだけそびえており、かっこいいです。ピークハンターは山頂を目指したいとは思いますが、ぜひ展望台へも上がってください!乗越のっこしからすぐの位置です。

展望台が元山頂?!

ここからは私の推測ですが、おそらく昔はこの展望台の位置が【摩利支天山まりしてんやま】の山頂だったんだと思います。遠目に見てもここの方が高く見えますし、ピーク感あります。江戸時代はここに、摩利支天まりしてんが祀られていたことでしょう。

祠跡ほこらあともありますし、ここの広さなら遥拝や勤行もできそうです。摩利支天にはのちに御嶽山三十八座の一つとして【士祖権現しそごんげん】=【日本武尊ヤマトタケルノミコト】が習合されています。計測技術が進んで、山頂の位置が今の位置へ変わったんでしょうね。計測技術の進歩によって山頂の位置が変わるというのは他の山でも見られます。

また、摩利支天まりしてん像が乗越のっこしに立っているのも頷けます。一番人が通る場所ですからね。展望台や、【摩利支天山まりしてんやま】をスルーする登山者が多くても、この摩利支天まりしてん乗越のっこしを通る登山者は多いです。見守ってくれている存在です。

現在の摩利支天山まりしてんやま2959mは、個人的に山頂としてはあまりオススメしませんが、高山植物と景色を楽しみながら歩くのは楽しいので、余裕があれば往復して見てくださいね!

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