御座(おざ)拝見の感想は!?強力取材⭐︎番外編

御嶽山の強力

私は先日、初めて【御座おざ】というものを見ました。(御座見学でまさかの〇〇!強力取材②
御座おざ】を語れるほどの知識はないのですが、実際見た感想を分かりやすく残しておきたいと思います。

御座(おざ)ってなに?

御座おざ】は、御嶽信仰における重要な儀式です。
御座おざ】がいつ頃から成立したのかは正確には不明ですが、御嶽山での【御座おざ】を生み出したのは【普寛行者ふかんぎょうじゃ】です。1792年に王滝口から御嶽山へ初登拝した際も、【御座おざ】を行っていたとされています。

この当時は、天明の大飢饉やそれに伴う疫病などの流行により、多くの人々が苦しんでいました。そんな時代において、行者たちが持っていた生薬しょうやくの知識は重要な役割を果たしていました。比較的軽い病に対しては可能な限り生薬で対処していたことが分かっていますが、重い病に対しては決定的な生薬を欠いていました。

そのため、当人の自然的治癒力、つまりは「気力」や「生命力」を上げるために行われていたのが【御座おざ】です。【御座おざ】によって症状を診て生薬の処方もしていたそうです。(これが後々幕府から警戒され、弾圧の原因になってしまうのですが、この話はまたいずれにしたいと思います)

御座の役割

では実際の【御座おざ】の役割について話します。
神さまや霊神れいじんさまを降ろす【前座まえざ】と、神さまの憑代よりしろとなる【中座なかざ】がいます。
前座まえざ】が、神さまへの言葉を述べて神さまを降ろします。【中座なかざ】はトランス状態に入り、何某なにがしかの神さまが憑依ひょういします。それを【前座まえざ】が見極め、以後【中座なかざ】に降りてきた神さまと信者さまを繋ぐのです。降りてくる神さまは、御嶽大神おんたけおおかみであったり、霊神となった先祖あるいは親だったりもするそうです。信者たちは、この【御座おざ】を通して大切な方と会うことができるんです。

前座まえざ】も【中座なかざ】も、相当な修行を積まねばならず、とくに【中座なかざ】はかなりの霊力がないと務まらないそうです。

前座まえざ】ー 実行役
中座なかざ】ー アバター

といえば分かりやすいでしょうか?

先日拝見した【御座おざ】では、先達さまが、中心で信者に向かって腰掛け、【中座なかざ】を務めておられるのが分かりました。【中座なかざ】である先達さまに正対してひざまづき言葉を述べていた男性が、おそらく【前座まえざ】でした。詳しくはこちら御座見学でまさかの〇〇!強力取材②

この時唱えるのは、祝詞のりとだったりお経だったり講社によって違います。もとは【神仏習合しんぶつしゅうごう】から始まった修験道は、講社によって神道しんとう系、仏教系だったり、様々あるのです。

【百間滝】滝行へ随行した際の講社は、先達が僧侶でしたので、勤行では仏教に関する言葉がたくさん出てきました。今回拝見した【御座おざ】で、私が分かったのは般若心経くらいだったので、今回の講社は神道系だったのかもしれません。

御座を見た感想と解釈

さて、これらの【御座おざ】について、
実際のところどうなの?と思う方も多いでしょう。一般人が見たらこのシャーマン的な儀式は、違和感であったり仰々ぎょうぎょうしかったり、あるいは嘘っぽく見えるかもしれません。

「宗教って胡散臭い」とか、「御座もどうせウラで練習してるんでしょ?」とかいう人もいます。そう考えてしまう気持ちも分かりますが、それは少し寂しい考え方であり、もったいないとも思います。

あくまで私個人の考えですが、信じる人がいるならそれは本物であると思います。そもそも、神さまや仏さま自体が、人が信仰から作り出したものです。神話や昔話もそうです。古来の神仏習合の考え方、現代の神社仏閣での決まり事なども、すべて人が歴史の中で作り出し生み出してきたものです。

神さまや仏さまという存在は、そもそもおのれのなかにあるんではないかと、私は昔から思っています。それはただの良心かもしれないし、空想や夢だと言われたらそうかもしれません。

しかし、現代で偶像化されてる崇拝対象は、もとは霊力が高い者や、厳しい修行を乗り越えた者に実際現われた姿なんだと、私は思います。
それを偶像化して共有することで、人々に親しまれて深く信仰され、現代まで語り継がれているんだと思います。

御座おざ】という儀式も、【普寛行者ふかんぎょうじゃ】から始まり、それを信じた方たちが信仰してきました。
講社を作り、弾圧を逃れ、現代まで大切に続けられていると思うと、私は本物だと思います。
そして信じる信じないも、自由です。

これにて今回の「強力取材」は締めたいと思います。
御嶽講の登拝を追え!?強力取材①
御座見学でまさかの〇〇!強力取材②
強力の真髄を見た!強力取材③
最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考文献「木曽のおんたけさん」(執筆編集代表 菅原壽清すがわらとしきよ

コメントあればお願いします 質問も受け付けます

タイトルとURLをコピーしました