御嶽山は霊山であり、たくさんの神仏が祀られている神さま集合山です。これまでも【神霊軸】や、【御嶽山座王権現三十八座】などで紹介してきました。
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その中でも、現代で最も中心的に祀られているのが【御嶽大神】です。今回は【御嶽大神】に絞って、紹介したいと思います。
御嶽大神は三位一体!
まず【御嶽大神】に関して重要なことが二つあります。それは、
- 明治以降に指定された新しい名前(呼び方)である
- 国常立尊/ 大己貴命 / 少彦名尊の三位一体である
明治に入る前、江戸時代までは、【御嶽大神】という呼び方はしていませんでした。それまで御嶽山には【御嶽山座王大権現】が中心に祀られていました。
明治の【神仏分離令】を境に、
【御嶽山座王大権現】は
↓
【御嶽大神】(国常立尊・ 大己貴命・少彦名尊の三位一体)へ変化したんです。「権現」とはいわば神と仏の合体なので、「権現」をやめて「大神」という神さまにしたということです。
詳しくは御嶽山は神仏分離令でどうなった?
この【御嶽大神】が、現在【御嶽神社】の主祭神として祀られています。主祭神とは、神社でいう神さま「代表」「中心」という意味です。
そもそも大神(おおかみ)って何?
次に「大神」の意味ですが、
①最上表現でと呼ぶ場合(例:王さま→大王さま)
②複数形で呼ぶ場合(例:家族→大家族)
と大きく二つあり、【御嶽大神】に関しては②の意味で使われています。国常立尊/ 大己貴命 / 少彦名尊という3人の神さまを【御嶽大神】という複数形の総称にしたんです。
たとえば【白川大神】は、複数形ではなく、①の最上表現で使われています。
上の写真は【王滝頂上】の【御嶽大神】像ですが、国常立尊が【国常立大神】となっていて、①の意味で使われているのが分かります。少しややこしいです。「大神の中の大神」!みたいな表現でしょうか。おそらく両脇の2人にも「大神」がついていると思われます。
この3人の神さまは、日本を代表する神さまでもあるので、御嶽山だけでなく日本全国で名前を見ることができます。
御嶽大神はどこにいる?
ではこの【御嶽大神】はどこにいるでしょうか?
まずは先ほども紹介した【王滝頂上】の【御嶽大神】像です。
正確には【王滝頂上】から【剣ヶ峰】へ上がる途中にあります。こちらは「御嶽教大御神火祭場」という場所で、後ろに立っている三像が【御嶽大神】、手前の坐像は左から【一心霊神】【覚明霊神】【普寛霊神】です。
王滝口の御嶽神社にも同じ構図で像が祀られているようです。
昭和54年(1979年)の噴火で一時入山禁止になるまでは、ここで雲上御神火祭が行われていました。さぞかし圧巻であっただろうと思います。
こちらは王滝登山道の田の原登山口にある遥拝所です。昭和54年の噴火で入山禁止になった際に作られ、現在も高齢などで山に登れない方が御嶽山を遥拝するために使われています。
最後に、御嶽山【神霊軸】の一番上に描かれています。
(注:この【神霊軸】という呼び方は私が勝手に名前をつけました)
御嶽神社で見ることができますし、購入もできます。御嶽山の山小屋でも飾られてるかもしれません。機会があれば探してみてくださいね!
次回は、【御嶽大神】の(国常立尊・ 大己貴命・少彦名尊)の三神を一人ずつ紹介します。お楽しみに!
参考文献:
「木曽のおんたけさん」(執筆編集代表 菅原壽清)
「神の山 御嶽」(写真分集)
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