強力の真髄を見た!強力取材③

御嶽山の強力

さてさて、御座見学でまさかの〇〇!強力取材②
大神さまのご加持まで受けて、身も心も六根清浄ろっこんしょうじょうされた気がします。
そんな心いっぱいの状態ですが、ここからいよいよ復路です。

11:10 剣ヶ峰を出発
まずは一旦信者さんと別れて、強力ごうりきくんとニノ池山荘へ御礼品を届けにいきます。
11:30 ニノ池山荘 到着
支配人さんに挨拶して、簡単に昼食を済ませます。
12:15 ニノ池山荘 出発
信者さんを追います。
12:45 石室山荘へ帰着

強力の出番です!

さてここからが強力ごうりきくんの本領発揮です。
信者さんがみんな荷物を置いて出発していきました。
その荷物を背負い板(せいた)へくくり、一つずつ積み上げていく強力ごうりきくん。荷物を潰さないように、そして落とさないように気遣いながら縛っていきます。私も支えるのを手伝います。
とんでもない高さと大きさの荷物が出来上がりました。それを軽々と背負う強力ごうりきくん。

荷物が歩いている笑

彼は普段から、三の池の御神水ごしんすいをタンクで汲んで背負い、神社へ奉納しています。山小屋への歩荷もしています。

御神水を汲むお仕事も強力に含まれます

2年前には、剣ヶ峰の標柱を運ぶ仕事もこなしており、その重さは60kg以上はあったんじゃないでしょうか!?

そんな彼にとっては信者さんの荷物は大した重さではないかもしれませんが、私がまず感心したのは体幹たいかんの強さ、そして脚力です。

背負い板(せいた)に積まれた信者の荷物というのは大変不安定で、強力ごうりきくんの頭二つ分ほど高い位置まで積まれています。
その不安定な状態で、尾瀬の木道ならいざ知らず、石室山荘直下の岩場をスイスイと下りて行くのです。そして全くブレません。ましてや現代の背負いやすい登山ザックではなく、昔ながらの背負子しょいこです。これには鍛え抜かれた体幹たいかんが必要だと思いました。

そしてこの場所は一度歩いてみると分かりますが、登山者にとって登りも下りも泣かせるところです。
岩場の急登で、段差も大きく足場も不安定。そんな道を、通常登山者の3倍以上はある重さの荷物を背負って、3倍以上のスピードで下って行くのです。(しかもストックや杖を一切使っていなかった!)

ましてや下りは登りと違って、非常に気を使わないと歩けません。登りは体力さえあれば割と勢いで登れてしまったりしますが、下りは冷静な精神と技術が必要です。体力にも余裕が残っていないと、深い一歩をおろせません。

その速さたるや、日帰り装備の私自身もついていくのが精一杯で、ゆっくり撮影なんてとてもできませんでした。まったくなんて脚力!!(泣笑)
30分以上は早く歩いていた信者さんたちにあっという間に追いついてしまうのでした。まるで足に羽がついているんではないかと思う足運びです。これまでに100回近く御嶽山へ登っているという強力ごうりきくん。どう足を運んでどこに足を置けばいいのか、身体が覚えてしまっているんでしょうね。

私が見た強力の真髄とは!

信者さん方は、もう10時間近く行動しているため疲れがかなり出ています。自力で荷物を持っていた方達も、途中から強力ごうりきくんへ追加で荷物を託していきます。それを当然のように引き受ける強力ごうりきくん。そして再び颯爽と駆け下りていきます。

強力ごうりき】が決して早い脚力を求められているわけではありません。
早ければ凄いとか偉いわけではありません。レースでもないのでそもそも早さを云々言うのはおこがましいですが、今回に限ってこの早さを賞賛させてください!

早さの利点は時間に余裕ができることです!
そしてその余裕は、体力の余裕と比例した場合に、人を助ける力になると実感じました。
(オーバーペースで結果バテては意味がない!)
時間と体力に余裕があれば、非常事態に対応できるんです。人を助けることができて、余分な荷物を背負えます。必要とあらば登り返すこともできますし、先に下りて何らかの対処をすることができます。あるいは遠くまで足を伸ばし、通常より時間をかけてより山を楽しむことができます。

時間、体力、精神、これらに余裕があること!
これが今回私が垣間かいま見た、強力ごうりき真髄しんずいです!

垣間かいま見た」とあえてこのような言い方をしたのは、私自身が知り得た情報はまだまだほんの一部だからです。あくまで一個人の感想だと捉えていただきたいです。ですがこの「余裕」こそが、以前お話を聞かせていただいた強力ごうりき倉本豊くらもとゆたかさんの言葉、「重い」と「想い」の精神にも通ずると思ったので、「真髄しんずい」と書かせてもらいました。(質問!強力(ごうりき)って何ですか?!
強力中でもしっかり写真撮影!

磨かれた身体能力を、御山おやまのために使う強力くん。その心は、決して賞賛を求めず、目立つことを好まず、あくまで自然体でいること。そして御嶽山を愛し、御嶽山と共に生きたいという優しさに溢れています。

倉本さんからは、「強力はもてはやすものではないし、カッコ良くもないよ」とさんざん言われていますが、
それでも「凄いなあ!かっこいいなあ!」という声が思わず漏れてしまうのでした!!笑

強力くんの紹介!

最後に、そんな今回の強力ごうりきくんを紹介したいと思います!
角間洋平(32)(かどまようへい)くんです。生まれも育ちも木曽町で、長野県製薬株式会社に勤める薬剤師さんです。「御岳百草丸おんたけひゃくそうがん」を扱う会社といえばピンとくるでしょう。
御嶽山と深い関係にある家柄と職業をもち、まさしく御嶽山の申し子!(と勝手に呼んでます笑)
故郷を愛し、御嶽山を愛し、ライチョウをこよなく愛する姿は、私にとってのパワースポットです。

角間洋平かどまようへいくん、今回の強力ごうりきおつかれさまでした!
誘ってくれてありがとう!
見事なり!

そして先達さま始め、出生講しゅっしょうこうの信者さま方、同行見学させていただきありがとうございました!
ご縁に感謝いたしますとともに、深く御礼申し上げます。

次回は御座(おざ)拝見の感想は!?強力取材⭐︎番外編です!

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