八海山と三笠山って、御嶽山とどういう関係?

【木曽の御嶽山】を語る上で、重要な山があります。それが、【八海山はっかいさん】と【三笠山みかさやま】です。御嶽神社の左右に並べて祀られており、よく見られる構図です。この構図は御嶽山の至る所で見られますし、私が在住している群馬の山でも確認できます。

 木曽には【八海山神社】があり、目にご利益がある神様として祀られています。一方【三笠山】は、王滝登山口がある田の原にあり、15分ほどで登れる小さな山です。この【八海山はっかいさん】と【三笠山みかさやま】は、どちらも勧請かんじょう1された山です。

 登山が趣味の人ならピンとくるかもしれませんが、【八海山はっかいさん】は新潟見の二百名山で、越後駒ヶ岳、中の岳、八海山と並べて越後三山と呼ばれています。中でもこの【八海山はっかいさん】は岩と鎖を使う修験の山として有名です。

 もう一方の【三笠山みかさやま】ですが、こちらは登山界ではあまり知られていませんね。
「三笠山って元はどこの山なんだろうね?」と話しても
「三笠山は、田の原の三笠山だろ?」と言われてしまいます。
「田の原の三笠山は、勧請された山だから、元は別の場所にあるはずなんだよ」
 調べてわかりましたが、【三笠山みかさやま】の元は、なんと群馬県にありました!諏訪山という三百名山があるんですが、その途中に【三笠山みかさやま】があるようです。

 これら【八海山はっかいさん】と【三笠山みかさやま】は、御嶽山の開闢かいびゃく2の祖である【普寛行者】が開山された山なんです。普寛行者が御嶽山を開山したのが1792年ですが、その2年前である1790年に初めて開山されたのが【三笠山みかさやま】であり、1794年に開山されたのが【八海山はっかいさん】の屏風道ということです。

 普寛行者にとっても、そのお弟子方にとっても重要な山と言えますね。
 御嶽山の両脇に並べられているのも納得です。特に【三笠山みかさやま】は、普寛行者が初めて開山したお山ということもあって、御嶽山の王滝口にある山を【三笠山みかさやま】と名付けたのも頷けます。

 私は、まだ【八海山はっかいさん】にも【三笠山みかさやま】にも登ったことがありませんが、絶対に行かなくてはならない山になりました!どちらも岩と鎖のある厳しい山のようです。【三笠山みかさやま】は、群馬県なのも嬉しいご縁ですね。今年のうちに、訪ねようと決めました。

  1. 勧請とは、神仏の分身・分霊を他の地に移して祀ること。 ↩︎
  2. 開闢とは、信仰の地として山を開山すること。 ↩︎
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