アルマヤ天狗はどこにいる?!

御嶽山の紹介

最近、御嶽山の信仰としての【摩利支天まりしてん】や【摩利支天山まりしてんやま】の紹介をしてきましたね。元々私が働いていた小屋からよく見える山でしたし、摩利支天像があったという話もしました。【摩利支天まりしてん】の謎がおおかた解けたところで次の謎へ移りましょう。

摩利支天山まりしてんやま】は外輪山ですが、【アルマヤ天】というピークがあることをご存知でしょうか?
この【アルマヤ天】も一体何を表している名前なのか、長らく疑問でした。

アルマヤ天はどの山か?

右側のピークが【アルマヤ天】

写真は、左ピークが摩利支天まりしてん乗越のっこしで、白龍避難小屋もはっきり写っていますよね。(摩利支天山はどこ?!

注目して欲しいのは右側のピークです。地図上ではそこが【アルマヤ天】になります。【摩利支天まりしてん乗越のっこし】と【アルマヤ天】の間に白龍避難小屋や、三十八史跡の石柱が建っているという位置関係にあります。(黒澤口第十七番 三之池 摩利支天

今回はこの、【アルマヤ天】て何だろう?というお話です。

アルマヤ天の「天」は天狗の「天」!

前に、【摩利支天まりしてん】は【弁財天べんざいてん】や【大黒天だいこくてん】などと同じ「天部てんぶ」(仏さまの階級の一つ)だと話しました。(摩利支天って何の神さま??
そして「〇〇天」というからには、【アルマヤ天】も「天部」の一人だと思っていたら大間違いでした。

この石碑をよく見たらビックリ!右から二番目にご注目!

“阿留摩耶天狗”と書いてある!!アルマヤ天狗てんぐ?!
もしかして【アルマヤ天】とは天狗てんぐ?!

この石碑は、黒沢口から登り、八合目を過ぎて、金剛童子と弘法大師像のちょうど中間あたりに建っています。今まで何度も通っていましたが、それまで全く気づきませんでした。

継子岳に【アルマヤ天】?

興味深い記述を見つけました。

御嶽山の北端の継子岳は、御嶽山縁起の阿古太丸伝説に因んで命名されたといわれる。継子岳には阿留摩耶天を祀っている。

「朱印帳 御嶽山三十八史跡巡り」(木曽御嶽神社)

そして、どうやら【継子岳ままこだけ】に【アルマヤ天】が祀られているようなんです。(御嶽縁起おんたけえんぎ阿古多丸あこたまる伝説についてはこちら

というわけで、【阿留摩耶天アルマヤてん】=天狗さまを探しに【継子岳ままこだけ】へ行ってきました!

そして、こんな石碑を見つけました!

小天狗神こてんぐしん 阿留摩哉アルマヤ大権現だいごんげん 大天狗神おおてんぐしん 
(東京巣鴨 太弓講日昇教会)

と彫ってありますね!確かに天狗さまが祀られていました。ここは正確には【継子岳ままこだけ】山頂ではなく、【継子Ⅱ峰ままこにほう】です。日昇教会の霊場のようです。

裏側にはほこらもありました。鍵と鎖までかかってて頑丈ですね。そして「摩利支天まりしてんそん」も祀られているじゃないですか?!本当に御嶽山は神様集合山ですね。祠の中が気になりますよね・・・!
阿留摩耶天狗アルマヤてんぐ」と「摩利支天まりしてんそん」が両方入ってるのかな??

実はこの写真を移した時は、詳しく分かっておらず、祠横の石碑が、「阿留摩耶天狗アルマヤてんぐ」なのか「阿留摩耶天アルマヤてん」で終わってるのかが確認できませんでした。また来年に確認しておきます!

この地図は、大正14年(1925年)作成の木曽御嶽山明細図の一部分です。
一番右上に「マ﹅子岳」「アルマヤ天」「大六天」と書いてあるのが分かるでしょうか?石室山荘が所蔵している明治に印刷された地図にも、同じ位置に「アルマヤ天」は記載されていました。確かに古くから、【継子岳ままこだけ】には【アルマヤ天】が祀られていたようですね!

つまり【アルマヤ天】の山頂が現在の位置へ移動したのは、昭和元年である1926年以降だということです。

地図上のアルマヤ天へは行けるのか?

それでは、現在の地図上にある【アルマヤ天】へ行ってみましょう。

この地図は2024年版 山と高原地図 [御嶽山] です。地図には、

アルマヤ天に至る登山道は無い

とありますね。ただ実際のところ、立ち入り禁止ロープもなく、避難小屋からアルマヤ天は至近距離に見えてるので、危険なく辿り着けます。これまでもしばしば登っている人を見かけましたし、特に注意喚起している様子もありませんでした。

これは、2021年に実際に私が【アルマヤ天】へ登った時の写真です。岩が奇妙に積み上がっていました。くぐれるほどの大きさはありませんが、門のようになっている岩もありました。

そして壊れた祠跡がありました。ここに「阿留摩耶天狗アルマヤてんぐ」が祀られていたんでしょうか。

ちなみに景色はこの通り見事です!

三ノ池を見下ろすアルマヤ天狗

御嶽山の天狗について面白い記述があったのでここで紹介しておきます!

山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとりってん】
山旅通信【ひとり画展】 とよだ 時
「木曽御嶽の六尺坊天狗伝説」
https://toki.moo.jp/gaten/201-250/gate210/gate210.html

上の記事を書いている「とよだとき」さんは、全国の山を歩いて各地の伝承を地道に調べ上げた方です。私も見習いたい!
『日本百霊山〜伝承と神話でたどる日本人の心の山〜』(2016年ヤマケイ新書)という本も出版されています。

とよださんがおっしゃるには、御嶽山には天狗がウジャウジャいて(三笠山や八海山も天狗らしい)、「阿留摩耶天狗アルマヤてんぐ」は【アルマヤ天】から三ノ池を見下ろしているそうです。

アルマヤ天狗の気持ちになって三ノ池を見下ろして見ました!御嶽山には神さま仏さまだけでなく天狗もいたとはビックリですね。(よく考えたら【さい河原かわら】には鬼がいると言えます)

五の池小屋の裏、飛騨頂上付近に天狗像を見つけました。もっとよく探せば、いろんなところに天狗さまはいるかもしれませんね!今後も探していきます!

「信仰が 複雑きわまる 御嶽山!」
かるた風に言ってみました・・・・!

コメントあればお願いします 質問も受け付けます

  1. 平野泰敏 より:

    昨日朝のインターネットで、アルヤマ山を検索して、初めてあなた様の記事を読みました。私は今76歳の老人ですが、25歳~45歳位迄、天狗様の事を調べました。実は、御嶽山の六尺坊(六石坊・ろくせきぼう)、アルマヤ山の天狗伝説も興味関心が有りましたが、よく分からなかった。昨日色々写真その他の興味深い記事を知りまして、コメントしました。四国の石鎚山の或るお寺さんで出しているお経本『石鎚経(いしづち・きょう)の中に『天狗経』と言う短いお経が有りますが、その中に、天狗真言が出ていて、天狗様の御真言が二つ載っていまして『オンピラ、ピラケン、ピラケンノウ、ソワカ』と、『オン、アルマヤテング、スマンキ、ソワカ』なのですが、或る天狗研究家の方が、後者の御真言は、『御(おん)・アルマヤ山には、数万気騎の天狗様が、おられる。』と言う風に理解する。と言われました。その研究家は今から14年前に103歳で他界。私の今から40年位前に御嶽山に二回(2年間で)登ざんしました。山頂迄。一の池、二の池、等は行っていない。私は今76歳ですが、出来れば今年夏にアルマヤ山迄登りたい❓️のですが、体力的に、或いは又、危険度が高く無理なのか❓️と、考えています。御嶽山の山頂付近に山小屋❓️とか有るのでしょうか❓️昔御嶽山に登山した時は、確か6号目の宿坊(旅館)に一泊しましたが……。

    • 山の音楽家 山の音楽家 より:

      平野様コメントありがとうございました。御嶽山は、登山的には危険後は高くないです。登山の体力があって、時間に余裕があるならばご高齢でも登拝できます。6合目の宿坊というのは、中の湯登山口のあたりでしょうね。今はもうありません。
      御嶽山の山頂に一番近い山小屋はニノ池山荘、もしくは二の池ヒュッテがあります。9.5合目といった位置です。登られる際は山小屋で一泊されることをおすすめします。小屋から地図上のアルマヤ天までは、通常のコースタイムで30分ほどです。しかし、アルマヤ天はブログにも書いた通り特にピークに表示もなく、壊れた祠跡があるだけですので、「天狗の山」という満足感は得られるかどうかはわかりません。
      もうひとつ紹介した、「アルマヤ天狗」が祀ってある継子Ⅱ峰や、飛騨頂上の天狗像を訪ねるのならば、岐阜県から登って「五の池小屋」へ宿泊されると良いと思います。

  2. 平野泰敏 より:

    それから私のblog。
    『宇宙の中でひとりごと』https://ucyunonakadehitorigoto.blogspot.com
    殆んど毎日書いている。また気が向いたらお読み下さいませ。

  3. 平野泰敏 より:

    有り難う御座いました。今年の夏に、御嶽山登山したいです。その際は複数の友人と一緒に登るつもりです。今後とも色々、ご教示宜しくお願い申し上げます。有り難う御座いました。

  4. 豊田剛司 より:

    おはようございます。先日、はがきをいただきました。それでこのブログにたどり着きました。大変興味があります。若いころ御岳山に行きました。一泊した次の日は最高の天気で岐阜県側に下りました。その中途で「摩利支天山」があるのに気が付きました。賽の河原あたりで案内板を見ました。今回写真を見させていただき、とても興味があります。現在は皆様の体験記をユーチィーブ、テレビで見るだけです。今後ともブログをよろしくお願い申し上げます。
    失礼

    • 山の音楽家 山の音楽家 より:

      豊田さま、コメントありがとうございました。最近更新できておらず、遅くなり大変申し訳ありません。ハガキというのは、御嶽山に関するものだったんでしょうか。興味持っていただき嬉しく思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

タイトルとURLをコピーしました