Roots.5【木曽の御嶽山】は神さまだらけ?!

 ・【木曽の御嶽山おんたけさん】はオリジナルで独立された霊山である

 と前回言いました。
 
 【木曽の御嶽山おんたけさん】には、【御嶽山座王大権現おんたけさんざおうだいごんげん】が祀られたのが最初ではあります。これはいわば
金剛蔵王権現こんごうざおうごんげん】の進化形にあたります。その後、【木曽の御嶽山おんたけさん】にはどんどん色んな神さま仏さまが集まってきて、信仰対象が増えました。

 ではいったい、どんな方たちが祀られているんでしょう?
 現在の、主な信仰対象をざっと列挙ししますと、、、


御嶽大神おんたけおおかみ
国常立尊くにのとこたちのみこと
大己貴命おおなむちのみこと
少彦名命すくなひこなのミコト 

【日本神話に登場する神】
・伊邪那岐尊(イザナギノミコト)
・伊邪那美尊(イザナミノミコト)
・木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)

【勧請された山の神】
八海山はっかいさん
三笠山みかさやま
武尊山ほたかやま

 さらに御嶽山は、山の開山を行った2名の行者を【霊神れいじん】として崇めています。その行者の弟子もまた【霊神れいじん】、そのまた弟子も、、、というように、続いていきます。

代表的【霊神】
覚明霊神かくめいれいじん
普寛霊神ふかんれいじん
一心霊神いっしんれいじん
一山霊神いちざんれいじん があげられます。

他にもたくさんありますし、大日如だいにちにょらい来、不動明王ふどうみょうおう摩利支天まりしてんといった仏さまも祀られています。

 では【御嶽山座王大権現おんたけさんざおうだいごんげん】はどういう扱いなんでしょう?
 実は「座王権現ざおうごんげん」という呼び方は明治以前のものなんです。
 明治の「神仏分離令しんぶつぶんりれい」に伴い、【権現ごんげん】という呼び方は【大神おおかみ】へ変化し、現在の御嶽神社が出来ていったのです。今後詳しく、書いていきます。

【木曽の御嶽山】が神さまだらけの理由
・開山に貢献した行者やその弟子
・彼らが新たに勧請した日本の神さま
・新たに開山した山の神さま
など、曼荼羅のように広がった信仰を持っているため。

このことから【木曽の御嶽山】は、
”【金峯山寺きんぷせんじ】から勧請かんじょうした【金剛こんごう座王権現ざおうごんげん】が祀られている”

とはっきり言わなくなった(書かなくなった)んではないでしょうか?
それは、信仰対象が増えて独自のものなったためと言えます。
そのため、全国にある【御嶽山(御岳山)みたけさん】と区別されている印象なんですね。

 

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