Roots.6【木曽の御嶽山】ルーツまとめ

 【木曽の御嶽山】は「木曽のおんたけさん」と読みます。

 【嶽】という漢字は常用漢字から外されているため、【御岳山】とも表記されます。
 そのため【御嶽山おんたけさん】は噴火の際、「御岳山噴火」と報道されていました。

 しかし【御岳山】という知名度の高い山は東京にも存在するのに加え、
 その山は「みたけさん」と読むためしばしば混乱が起きました。
 【木曽の御嶽山おんたけさん】は、最近では紙面でも「御嶽山」で統一されているように感じます。

 しかしながら、【御岳山】と書いて【木曽の御嶽山おんたけさん】を指している表記も未だに存在します。
 木曽では【御嶽山】も【御岳山】もどちらも「おんたけさん」と読みます。
 (ちなみに、【御嶽山】や【御岳山】と書いて「みたけさん」と読む山もあります)

 もともと【御岳/御嶽】の読み方は「みたけ」でした。
 吉野の【金峯山寺きんぷせんじ】という山岳信仰の総本山が「かね御嶽みたけ」と呼ばれていたからです。

 その昔【木曽の御嶽山おんたけさん】は【金峯山寺きんぷせんじ】から【金剛蔵王権現こんごうざおうごんげん】を勧請しました。
 そして【御嶽山座王大権現おんたけさんざおうだいごんげん】として祀られていました。

 ですが【木曽の御嶽山おんたけさん】は独自に「おう御嶽みたけ」と呼ばれ始めます。
 次第に「おうのみたけ」が「おんたけ」に変化し、人々が敬意を込めて
「おんたけさん」と呼ぶようになりました。
 そのため、木曽では【御嶽山】を「おんたけさん」と読んでいます。

 このように、【木曽の御嶽山おんたけさん】は名前の由来も独自でしたが、信仰対象も独特です。
 勧請した神さまだけでなく、開山に大きく関わった二名の行者も神格化されました。
 その行者が新たに呼んだ山の神さま仏さまもいます。
 行者やその弟子たちは【霊神れいじん】として祀られるようになりました。

 以上から
 【木曽の御嶽山おんたけさん】はかなりオリジナルで独立された霊山だと言えます。
 そのためか、全国に広がった【御岳山/御嶽山みたけさん】の信仰とはと区別されているように感じます。

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