【木曽の御嶽山の2014年の噴火について】
概要を記します。
2014年(平成26年)
9月27日(土)11:52
死者58名 行方不明者5名
水蒸気噴火
水蒸気噴火とは、溶岩を伴わない噴火である。
地下の熱水が、地表で一気に沸騰して水蒸気になることで周囲を吹き飛ばし、爆発する噴火である。
この噴火は、前兆現象が捉えにくい。
この噴火で起こった主な災害
- 噴石(時速約300㎞と言われている)
- 降灰
- 火山性ガス
- 火砕流
- 熱風
- 視界不良(暗闇化)
- 泥流
この2014年の噴火は、噴火と同時に活動が最大化したのが特徴である。
1979年10月28日にも、御嶽山は同規模の水蒸気噴火を起こしているが、この時は徐々に活発化したため死者は出ていない。また、2018年1月23日に1名の犠牲を出した草津白根山の噴火も、水蒸気噴火であった。
御嶽山は現在も火山活動中である。
2022年に、御嶽山は噴火警戒レベル2へ引き上げられている。噴火警戒レベル2は「火口周辺規制」であり、御嶽山は火口から概ね1㎞が対象である。
未だ噴火前の状態には戻っておらず、現在は噴火警戒レベル1「活火山であることに留意」とするも、実際はレベル1.5相当という認識を持っていた方がよいとされる。
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【御嶽山の防災について】
防災とは、
「災害の発生機構を明らかにし、人命及び財産の安全を図る目的として対策を行うこと」
御嶽山が行っている主な防災対策は以下の通り
- 監視カメラや地震計などで24時間観測
- シェルターの設置
- 避難誘導看板の設置
- スピーカーの活用
- 山小屋、避難小屋の屋根の強化
- 山小屋の防災備品の充実
- 巡視
- 防災マップ
「どこからどこまでどのように避難すればよいか」(避難方法、経路)がわかる - ハザードマップ
「どんな現象に(噴石、火砕流など)気を付ける必要があるのか」わかる - SNSの導入
- 火山マイスターの創設
- ビーコンを使った登山者把握実験
また、噴火に遭遇した際の対処として、以下を推奨しています。
- その場から離れる
- 身を隠す
- ヘルメットの着用
- マスクや濡らしたタオルで口元を覆う
2018年(平成30年)6月7日に設立された御嶽山火山マイスターは、9月27日を「信州火山防災の日」として、「日本で最も火山防災の進んだ地域」にするため、噴火災害を語り継いでいきます。火山を理解し、情報を集め、主体的に御嶽山の普及啓発に努めています。そして、御嶽山の魅力を発信し、地域振興に貢献する活動を目指しています。