【山丸三】の三位一体解釈!?

山丸三

覚明講紋かくめいこうもん】の記事「覚明行者の頭陀袋に注目!」でも紹介した書籍「神鳥かむどりの声」に、【山丸三】の新たな解釈が載っていたので紹介します。

山丸三やままるさん】について何ぞや?となった場合はまず以下を参照ください。
気になった山丸三の紋様-山丸三①-
山丸三の仏さまたち-山丸三②-
山丸三と真言密教-山丸三③-

山丸三の解釈

御嶽山の神紋といわれている入り山に丸山引きの紋は、普寛行者が御嶽大神から授かった笠印(笠につける紋)でした。「未来まで変えるべからず」とのお告げを頂いた紋です。この紋に後世いろいろな解釈が付けられました。その(うちのひとつの解釈)中に、三本の線を、過去、現在、未来とし、先祖、自分、子孫とします。それが丸くおさまるのは、御山のおかげ(丸と入り山)いう解釈です。これが御嶽信仰を一言で言い表しているのではないでしょうか。先祖や先覚のおかげで今を生きる自分が救われ、今度は自分が御山のおかげを頂いて、子孫を支える霊神になる、御嶽信仰とはそうまとめられるのではないでしょうか。(中略)

「木曽御嶽山案内記 神鳥の声」和邇御嶽山

これは非常に納得がいく解釈だと思いました。

この解釈は、キリスト教の三位一体さんみいったいにも見られていて、さまざまな宗教で共有されています。
それと少し意味は違いますが、「三人寄れば文殊の知恵」「三本の矢」といった「三」に関することわざも多いです。どちらも「ひとつ」では難しくても「三つ」集まれば大きな力を発揮する、という教えです。そして日本人はそもそも「三」と言う数字が好きなように思えます。日本三大〇〇や、Best3など、なんでも三つ揃える傾向ありますね。「三」とは非常に落ち着く数字なのかもしれません。

話は逸れましたが、

御嶽山の主祭神である【御嶽大神おんたけおおかみ】は、
国常立尊くにのとこたちのみこと / 大己貴命おおなむちのみこと / 少彦名命すくなひこなのみこと三神を表しています。

御嶽山で使われている【神号軸しんごうじく】も、
三笠山神社 / 御嶽神社 / 八海山神社 と、三号並んでいますね。

前回説明した御嶽のルーツ【蔵王権現】像も、過去 / 現在 / 未来 を表す三体でできていました。

過去と祖先/現在と自分/未来と子孫 これらが御嶽山のおかげで丸く収まっているのが御嶽信仰と言うわけです!

四大講祖の紋

御嶽山の四大講祖よんだいこうそと呼ばれる【覚明行者かくめいぎょうじゃ】【普寛行者ふかんぎょうじゃ】【一心行者いっしんぎょうじゃ】【一山行者いっさんぎょうじゃ】それぞれの紋が説明されていました。

上・普寛講ふかんこう笠印(入り山に丸三つ引き)
右・覚明講紋かくめいこうもんと言われる紋(三つ山に抱きあしの葉に一の字)
左・一心講紋いっしんこうもん(星を入り山に三つ引き)
下・一山講紋いっさんこうもん(三つ山に丸三つ引き)

覚明講紋かくめいこうもん一心講紋いっしんこうもんについてはすでに
覚明行者の頭陀袋に注目!
与野 御嶽社で見た【一心講紋】とは⁈」でふれていましたね。

一山講紋いっさんこうもん(三つ山に丸三つ引き)は与野の一山神社は長細い!でも確認はしてるのですが、
これについては少し曖昧かもしれません。
出版年によっては「一山講紋(三つ山に丸三つ引き)」の部分が消されているためです。

以上、参考文献は 
「木曽御嶽山案内記 神鳥の声」和邇御嶽山

最後に

私は常々、「御嶽山を知りたい、御嶽山と関わりたい、御嶽山を伝えたい」と言う気持ちを発信しています。
実はこれも、知りたい(過去)/関わりたい(現在)/伝えたい(未来)なんだと気づきました!
今後も、御嶽山のもと、まあるい【山丸三】の気持ちで活動していこうと思います。

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