2022-第1回 寒くて寝れない話【2022御嶽山小屋番記録】

御嶽山の小屋番として2022年も戻ってきました。この年は3週間という短い期間ではありましたが、連続滞在になったのである意味長く感じました。
2022年の小屋番記録も12回に分けて、残そうと思います。

登山を趣味にしたり、ついには小屋で働いたりしていますが、寒いのがとにかく苦手です。
小屋のある位置は標高が約3000mです。1000mで約6度気温が下がると言われていますので、3000mの高山は、下界と比べると18度も低いわけです。
つまり下界が25度あっても小屋では7度しかないのです。
9月後半には、小屋の中にいても息が白いです。氷も張ります。雪も降ります。風も強いです。冬です。
小屋は古いため、隙間風が吹き込んできます。
働いて動いている時はそこそこ暖かいのですが、寒くて寝付けない夜が増えます。

布団から出てる部分が寒いんです。
それは肩や顔です。
そして伝わるかわからないですが、自分の息で顔が冷えるという現象がおきます(空気が流れるため)

なぜか寒いと尿意も近くなるんです。
寝る前にトイレに行っても、30分たたないうちにまたトイレ、ようやく寝落ちかけてもまたすぐトイレに行きたくなって、仕方なく起きるというのを繰り返す。

寒いと、なぜトイレが近くなるのでしょうか?

  • 寒いと汗をかかないため、発汗による水分の体外排出ができない
  • 寒いと末端への流れる血液が減り、その分内臓への血液が増え、尿の生産量も増える
  • 寒いと交感神経が優位で内臓が活発に動くため、さらに尿の生産量が増える

いいことないやんけ!!
これでは利尿作用あるお酒なんか、絶対飲めない。
(本当は飲みたいけど)

寒くて寝れなさそうな時は、
メリノウールのインナーにフリース、化繊のアウターにダウンを着込んでさらに貼るカイロして寝ます。
布団も湯たんぽを入れて温めておきます。ちょっと暑いくらいで寝始めると、自然と体温が下がってきて眠くなります。
もちろん、小屋の高度にも気温にも慣れてきて、そのうちすぐ寝れるようになります。
何より疲れてますからね………。

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