第6回 選曲の話と演奏記録Ⅵ【2021御嶽山小屋番記録】

 選曲と奏法には気をつけてます。
 聴いてる人が、自然と一体化できるような「無」をできれば提供したい。
 と常々勝手に思ってます。

 3000m峰だけど里とのつながりが深くて、独立峰で、山頂部は穏やかな稜線の山。
 この山に合う曲、ゆったりとした演奏が合う曲を探しました。

 ホルンはそもそも山の楽器です。ホルンの曲はだいたい自然に合います。
 クラシックもいくつか試しました。ですが、この御嶽山にはどうも合いませんでした。技術を聴かせる演奏も合いません。クラシックはどうしても技術を披露するように書かれていたり、そもそも技術がないと演奏できなかったりと、山でやるには難易度高いんです。

 やはり自然と一体化というと、童謡や、季節の唱歌が多かったです。その他にも綺麗なメロディーだなと思う曲を、色んなジャンルから選んでいました。

 ホルン演奏記録Ⅵ
 日時:9月29日(水) 夕方 
 場所:ヘリポート
 曲目:浜辺の歌
    秋の子
    故郷
    朧月夜

   

 小屋の先輩が、結構音楽が好きな人で、私の演奏する曲をよく当ててました。

 先輩「この間”椰子の実”吹いてたよね!私海の曲が好きなんだ~長野に住んでるからかな?」

 私 「海の曲ですか?えーと他に何があったかな、”浜辺の歌”とか?」

 先輩「そうー!”浜辺の歌”もすごく好き~!」

 私 「”浜辺の歌”かー、、今度吹きますね」

 先輩「あと”琵琶湖周航”も大好き!」

 びわこしゅうこう?ナンジャラホイ、、、ですぐ調べました。
 この大好きな先輩のために、”浜辺の歌”も”琵琶湖周航”も後々演奏しました。
 すごく喜んでもらえた(と思う)。

 その他にも、

 「ホルンの音色、お昼寝にちょうどよかったわ~”里の秋”だったわよね」
 「さっきの曲、よく子供と歌ってたよ~懐かしいなあ」

 曲名を当ててもらえると、とても嬉しいです。
 それこそ「無」になれたと思います。

 楽器の音や技術ではなく、音楽そのものを聴いてもらえたという境地なんです。

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