第11回 演奏記録Ⅺとある男性との会話【2021御嶽山小屋番記録】

 ホルン演奏記録Ⅺ
 日時:10月9日(土) 朝、10:00頃 
 場所:小屋付近
 曲目:無伴奏チェロ組曲より
    奇跡の絶景
    語り継ぐこと
    エーデルワイス
    すべての山に登れ
    この道
    椰子の実

 この日の朝、ある男性のお客さんから拍手と共に、
 「夕食の時にも一曲演奏したらどうでしょうか?EN山荘みたいに!」と言われました。

 私 「ありがとうございます!それもいいんですが、ホルンの音は、外で聴く方が気持ちいいと思いませんか?」

 男性「ああ!それは確かにそうですね!」と話はこれで終わってしまいました。

 ごめんなさい。本当はもっと話したかったんですよ。
 この話はもうちょっとしたい。深いんですよ。
 けど、作業開始時間が迫ってたので、急いで戻りました。

 ですが、色々考えるきっかけになりました。
 小屋の中での、演奏としての演奏。そう言われるのは嬉しい。
 小屋の女将に頼めばオッケーが出るかもしれない。けど、、

 けど、中で演奏すると、どうしても聴くことが『義務』になっちゃいますよね?
 聴きたくない人も聴かないといけない。聴かせる演奏になってしまう。

 外の演奏は違う。
 立ち止まって聴くも自由、歩きながら聴くも自由、おしゃべりも自由、拍手も自由です。

 今の私は、この『自由』さが好きなようです。

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